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「三国志(北方謙三)」を読んだ

三国志はこれまで吉川英治版と正史の魏書の最初のほうを読んだぐらいで、それももう10年以上前の話。すこし前にFacebook上で誰かが北方版を読んだ、ということを見て、なんとなく興味を持って手にとってみたら、懐しさもあって一気に13冊を通読してしまった。

北方三国志は正史をベースとしていることもあり、吉川英治版にあった黄巾賊の妖術とか赤壁近辺の奇跡のような半分ファンタジーのような記述は少なくなっていて、だいぶリアリティを感じさせるものになっている。戦乱中の話なので、半分以上は軍事の話なのだけど、兵站重視の話や軽騎兵の用兵のあたりはリアリティが出ていた。個人的には呂布曹操がかなり格好良く描かれていて、諸葛亮の才能が抑え気味に書かれているのが良かった。司馬懿がマゾヒスティックな性癖を持っている描写、というのはご愛嬌。あと、劉備の漢の皇帝の理想像が「君臨すれども統治せず」の立憲君主制に沿ったものとされていて、2〜3世紀のころにその考え方はさすがに時代を先取りし過ぎじゃないかと思った。

まとめると、北方流のスタンダードから外れた解釈が面白い、というところもあり、一度吉川版三国志を読んでからのほうが二度美味しいので、合わせて21冊の分量を読む気のある方にお勧め。