データベースのモダンな使い方を知りたい人のための「Webエンジニアのためのデータベース技術[実践]入門」

「Webエンジニアのためのデータベース技術実践入門」を献本いただきました。著者の松信さんはMySQLの専門家で、これまでも数々の良書を執筆されています。ここ1,2年でデータベースの設計や運用の考え方は大きく進化したのですが、そのあたりが分かり易く解説されており、期待を裏切らない良本でした。

Webエンジニアのための データベース技術[実践]入門 (Software Design plus)

Webエンジニアのための データベース技術[実践]入門 (Software Design plus)

目次は松信さんのブログエントリにありますが、データベース技術の背景にある考え方から、具体的な概念、MySQLでの実践的な運用、データベースに適したハードウェアの特性まで記述されており、Webアプリケーションエンジニアはこの一冊を読んでおけば、必要な知識の相当部分が得られます。

データベースの設計や運用の考え方は、ここ1、2年でのハード性能の大幅な向上やクラウドの普及など外部環境の変化により、前提条件が大幅に変化しています。また、MySQLのバージョンアップにより、パーティションテーブルが実用的になり、スキーマ設計の考え方も進歩しています。実際、現場で新人に教える時にもこれまでのMySQL関連本では、内容が古くなっていると感じるところが多々あります。

松信さんの「Webエンジニアのためのデータベース技術実践入門」で特に良いなと思ったのは、

  • SQLやインデックスなどのデータベース設計に必要な知識
  • SSDによるIO性能の向上による効果や、その性能の引出し方
  • ウェブサービスの現場で使われている運用の考え方
  • リレーショナルデータベース以外のデータベースの概略や利点

あたりについて分かり易く書かれているところです。ウェブアプリケーションエンジニアがモダンなデータベースについて深く知りたくなった時に、スムーズに全体を把握することができそうです。ちなみに、中でもMySQLの内部構造やソースコードの読み方まで書かているのは、松信さんの真骨頂でなかなか他では読めないので、非常に面白かったです。

今週金曜(3/9)発売とのことですので、データベースについてもう一歩知りたいエンジニアの方にお勧めします。