前に自前DCは没になったという話を書いたのですが、自前DCというのは、けっこう悪くない選択肢です。
自分達でできないことは基本的に外部に頼むしかないのですが、そのノウハウをある程度以上の期間、必要とされる場合には、最終的には自分達でやったほうが、コストも抑えることができるし、ノウハウも蓄積することができます。
例えば、VPN一つ張るにしても、外部にお願いすると、初期費用がうんぬん、保守費用が月でうんぬん、と言うことになります。ですが、OpenVPNあたりを使って自前で構築してしまえば、最初は安定させるのに苦労するものの、人件費以外のコストは相当に抑えられます。
この手のものを自前で構築した場合に問題となりがちなことは、障害が発生した場合の対応ですが、はてなの場合、もともとサーバの保守はしているので、そこに監視対象が一つ増えただけ、と思えば、差分は誤差のようなものです。
そういうわけで、基本的に自分達でできることは自分達でやるのが、一番お得、というカルチャーなのです。そこで自前DCというものを考えてみると、いろいろメリットとデメリットが見えてきます。
最大のデメリットは、やはり設備の初期投資で、安定した電源、空調と、地震対策にはそれなりにかかります。このコストを回収するには、相当な規模が必要となりそうです。一方のメリットは、毎月の維持コストで、セキュリティで考えることを減らしたり、電源を直流で供給するようにしたり、空調を最適化したり、いろいろ考えることはあります。その維持コストを下げることで、どれぐらいの期間で初期投資を回収できるか、が判断の肝となりそうです。ちなみに、電源の直流化については、すこし前にスラドに出てました。自前DCを考える際には、このあたりは是非トライしてみたいものです。
直感的には、あともう一桁上の規模があればなぁ、と思うのですが、たぶん近い将来にその規模に達すると予測しつつ、自前DCに向けて、ネタを収集していこうと思います。